PREVIOUS EXHIBITION

[2008/2/11-2/24] 矢田淳子 写真展 「記念写真」(カテゴリ:写真)

yada.jpg

過去のコトを収める「記念写真」。そこにある尊い家族の絆。


Copyright © 2007 office AURACROSS ,All right reserved.
※文章・画像等の無断転載を禁じます。

INFORMATION
ステーツメント 過去のコトを収める「記念写真」。そこにある尊い家族の絆。 text by 矢田淳子
家族の中で一番、歳も近く仲のよかった兄が就職で家を出てから、私はパズルのピースをひとつなくしたような、歯がゆくもどかしい気持ちになりました。これから少しずつ、家族がバラバラになっていくという予感を、強く感じたのだと思います。それから写真を通して、初めてきちんと見つめた自分の家族。個展「相 棒」を開く頃には、物事が変化していくことに対する不安は、すっかりなくなっていました。
歳をとっても、住む場所が変わっても、本当に大切なものは、絶対に根底でつながっているのだということを再確認できたからです。

それからは、他のご家族に目を向け、過去の記念写真を使って、成長して変わっていく姿や、それでも変わらない家族の強い絆を表したいと思いました。

どなたの家にも、幼い頃のアルバムはたくさんあると思います。

入学式や体育祭、発表会や誕生日…。
そういった小さな記念日が、いくつになっても家族にとって大切な日には変わりないのに、子供が成長するにつれてだんだん撮らなくなっていく。私はそれが、家族それぞれがたくさんの刺激を外から受けて、良い意味で「家族離れ」していくことを意味しているような気がするのです。

今回ご家族の方にお借りした、過去の記念写真と同じ場所に行き、撮影することで、ご家族の方々が、あの頃のように素直な気持ちで自分の家族を改めて見つめ、感じてほしい。そして、この作品をより多くの方に見ていただくことで、是非ご自分のご家族のことを、または未来のご自分のご家族の姿を、見てほしいと思います。

すぐソコにある尊い存在を、改めて思い返すきっかけにしてもらえれば嬉しいです。そしてその日を、あなたの新しい記念日にしてほしいと思います。

過去のコトを収める「記念写真」。そこにある尊い家族の絆。
キャプション 「記念写真」それはとてつもなく小さく、私的な出来事をおさめる手段の筈だった。
text by office AURACROSS 前田龍央

過去の記念写真と同じ場所に行き、撮影することで、過去から現在へ向けられたメッセージを未来へと繋いでいく写真展です。

記念写真とは入学式や体育祭、発表会や誕生日といった、時間と場所、登場人物を1つの空間に収め、家族や仲間内だけで共有するアーカイヴです。そこに作家の表現が加わる事で、過去と現在への変化と未来永劫変わってほしく無いカタチのないものを気付かせてくれます。

成長と進化という変化が望まれる時代に、「記念写真」という普遍的な写真の中から、作家自身が語る変わってはいけないもの、そうなって欲しくないものを是非読み取って下さい。
プロフィール 矢田淳子 プロフィール
1985年 5人家族の末っ子として大阪に生まれる
1996年 祖父が他界し、父、母、兄、私の4人家族になる
2004年 成安造形大学造形学部デザイン科写真クラス入学
2005年 兄が夢を追って岐阜県で一人暮しを始め、家族を見つめなおすきっかけに
2006年 グループ展「本音とたてまえ」(WHITE CUBE KYOTO)
2007年 個展「相 棒」(GALLERY PARAISO)
2007年 兄が仕事を辞め大阪に戻り、また4人の生活がスタート