□ 企画協力　AAG　キム・インスク／佐藤圭子

今展覧会は、昨年より取り組んでおります企画展［symbiois=共生関係］シリーズ（海外の若手作家をご紹介する展覧会）の第3回目として開催。

アン・セホ氏は1971年、ソウル生まれ。芸術大学で絵画を、大学院で版画を学び、卒業後は韓国内にて個展グループ展を中心に作品の発表を続けています。

凹凸のある表面に均一なドットをシルクスクリーンで何層にもプリントした作品では、凹凸部分に色むらが生じ、見る角度によってそれぞれ違う表情を見せてくれます。また別の作品においては、同一のイメージをプリントした数枚のガラスを一定の間隔で重ね合わせる事によりそのモチーフが額の内部で連続し、消えていくような視覚効果を生み出しています。この作品では版画の持つ「反復性」を作品の中で表現しています。このように彼は、版画という手法を用いながらも量産する事を目的とせず、それぞれの作品を唯一無二の存在として生み出していおり、多様化する価値観を再考するきっかけを提示しているようにも感じられます。